AI技術の進化によって文章や画像だけでなく、音楽制作の領域でも人工知能が大きな役割を果たすようになってきました。
特に、テキスト入力やパラメータ設定だけで楽曲を自動生成できるサービス・ソフトが数多く登場し、音楽の専門知識がなくても簡単にBGMやボーカル入りの楽曲を制作できる環境が整いつつあります。
ここではAI作曲ツールの中でも注目度の高いサービス・ソフトを紹介し、商用利用可否や価格情報なども含めてまとめます。
AIで曲生成ができるサービス
Suno AI

特徴:Sunoは、テキストで歌詞やスタイルを入力するだけで、ボーカル付きの楽曲をAIが自動生成してくれる先進的な音楽生成ツールです。
特に英語の歌詞に強く、自然なメロディラインと歌声が特徴で、ジャンルもポップス、ロック、エレクトロなど幅広く対応しています。SNS向けの短編楽曲制作やプロトタイプ曲のスケッチに最適で、SNS投稿用のユニークな楽曲コンテンツを手軽に生み出せる点が魅力です。
- 価格:無料プランあり(1日10クレジット)。有料プラン(例:Proプラン $10/月)あり。
- 商用利用:有料プラン加入で商用利用可能。
- URL:https://suno.com
Udio

特徴:Udioは、高品質なボーカル付き楽曲を生成できるAI作曲ツールで、歌詞・ジャンル・雰囲気を入力するだけで本格的な楽曲が完成します。
特に、ボーカルの自然さとメロディの一貫性に優れ、短時間でクオリティの高いアウトプットが得られる点が強みです。クリエイターやSNSユーザーに人気が高く、YouTubeやTikTokなどで使える楽曲を迅速に作成できます。楽曲はセクションごとに構成され、繰り返しやアレンジも可能です。
- 価格:無料プランあり。有料プラン(例:$10/月で高解像度出力や追加生成回数)。
- 商用利用:有料プラン加入で可能。
- URL:https://www.udio.com
Soundraw

特徴:Soundrawは、動画制作や広告クリエイター向けに設計されたAI音楽生成サービスで、ジャンル・テンポ・ムードを選ぶことで自動でBGMを作成します。
生成された楽曲は構成ごとに編集できるため、映像に合わせた細かい調整が可能です。インターフェースが非常にわかりやすく、初心者でも直感的に操作できるのも特徴。
特にYouTube動画や企業のプロモーション動画のBGMとして多く利用されており、権利クリアな音源を簡単に入手できる利点があります。
- 価格:月額2,189円(商用ライセンス込み)。
- 商用利用:有料プラン加入者は可能。
- URL:https://soundraw.io
Boomy

特徴:Boomyは、誰でも数クリックで楽曲制作ができ、完成した楽曲をSpotifyやApple Musicなどの配信プラットフォームに直接公開できるという特徴を持つAI音楽生成プラットフォームです。
ジャンルを選び、サウンドを微調整し、ボーカルの追加までAIがサポートしてくれるため、音楽制作の敷居を大きく下げています。
また、再生数に応じた収益分配機能もあり、アマチュアクリエイターが収益化を目指すための入り口としても有望です。著作権はBoomyと共有されます。
- 価格:無料プランあり。有料プランは月額$9.99〜。
- 商用利用:可能(Boomyと著作権共有)。
- URL:https://boomy.com
音楽制作ソフト連携型(DAWとの併用も可)
AIVA(Artificial Intelligence Virtual Artist)

特徴:AIVAは、映画音楽やゲームサウンドトラック、クラシック音楽などの長尺で複雑な楽曲制作に適したAI作曲ツールです。
楽譜生成機能が充実しており、MIDIやMusicXML形式での出力も可能なため、DAWでの編集やオーケストレーションにも対応できます。
感情の流れや展開に沿った構成が自動で作られるため、作曲家や映像作家にとって貴重な制作支援ツールとなっています。欧州を中心に多くのプロフェッショナルに利用されています。
- 価格:無料プランあり。有料プラン(個人:月額€15〜、商用プラン:€49〜)。
- 商用利用:商用ライセンスプランで可能。
- URL:https://www.aiva.ai
Ecrett Music

特徴:Ecrett Musicは、動画・ゲーム・Vlogなど、日常的な映像制作に適したBGMを自動生成するためのツールで、シーン(例:旅行、料理、戦闘など)と感情を選ぶだけで適切な楽曲が生成されます。
楽曲はループ素材としても利用可能で、イントロやエンディングの構成も含めて自由に調整できます。操作がシンプルなので、動画編集者やマーケターにも人気が高く、個人利用から商用制作まで幅広く対応できる点が強みです。
- 価格:月額$7〜(個人向け)。
- 商用利用:有料プランで可能。
- URL:https://ecrettmusic.com
研究・実験的なAI作曲プロジェクト
Google Magenta / MusicLM

特徴:MagentaはGoogleが開発するオープンソースのAI音楽プロジェクトで、MusicLMはその中でもテキストから音楽を生成する先進的な試みです。
音符データだけでなく実際の音声を生成する点が特徴で、今後の音楽生成AIの方向性を示す技術的マイルストーンとされています。研究目的での利用が中心で、現在は限定的な公開ですが、教育や研究分野での活用が期待されています。
- 価格:無料(現在は一部研究者向けデモ)
- 商用利用:不可。
- URL:https://magenta.tensorflow.org/
Jukebox(OpenAI)

特徴:OpenAIのJukeboxは、実在アーティストのスタイルや声質を模倣したボーカル付き楽曲を生成する実験的AIです。
ビート、メロディ、歌声を含む全体の構成を自動で生成できる点が特徴で、既存の音楽ジャンルに近い作品を出力します。ただし著作権の問題から商用利用は不可であり、研究や実験目的での利用に限定されています。音楽の未来を示す刺激的な技術例として注目されています。
- 価格:無料。
- 商用利用:不可。
- URL:https://openai.com/research/jukebox
AIによる音楽生成は、すでに動画制作やSNS向け楽曲、広告用BGMといった分野で広く実用化が始まっています。特にSunoやUdioのような”ボーカル付き”の自然な楽曲生成が可能になったことで、個人でもプロレベルのデモ制作が行えるようになりました。
一方で、著作権や商用利用のルールは各サービスごとに異なるため、使用前に利用規約をよく確認する必要があります。今後は、ライブ演奏やインタラクティブな音楽体験との連携、DAWへのシームレスな統合など、さらなる進化が期待されます。
AI音楽生成は「道具」であり、それをどう活かすかはクリエイター次第です。ぜひ、自分に合ったツールを活用し、新しい音楽表現に挑戦してみてください。
Macで使えるオススメの音楽制作アプリ(DAW)はこちらで紹介しています。