ITの勉強を始めたり、プログラミングを学んだりしていると、「8080番ポート」という数字によく出くわします。 「80番」や「443番」は聞いたことがあるけれど、「8080番って何? 80番と何が違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、Web開発やサーバー管理の現場で頻繁に登場する8080番ポートの役割と、なぜこの数字が使われるのかを解説します。
1. 8080番ポートを一言で言うと?
8080番ポートは、ズバリ**「80番ポート(通常のWebサイト閲覧)の代わり」**として使われるポートです。
サーバー(Webサイトのデータがあるコンピュータ)を「マンション」に例えると、以下のようなイメージになります。
- 80番ポート: マンションの「正面玄関」。一般のお客さん(Webサイトを見る人)はここから入ります。
- 8080番ポート: マンションの「通用口」や「裏口」。正面玄関が工事中のときや、スタッフ(開発者)が出入りするときに使われます。
2. なぜ「8080」という数字なの?
実は、8080という数字自体に技術的な深い意味はありません。 「80番(HTTP)」を2回繰り返した数字、あるいは80番に似ている数字ということで、慣習的に使われるようになりました。
「80番の代わりですよ」「Webに関連するものですよ」ということが、エンジニアにとって直感的にわかりやすいため、この番号が広く定着しています。
3. 8080番ポートが使われる主なシーン
一般のインターネットユーザーが8080番ポートを意識することはほとんどありませんが、エンジニアやサーバー管理者にとっては非常に身近な存在です。主に以下の3つの場面で使われます。
① Webサイトの開発・テスト環境
プログラミングをしてWebサイトを作っている最中、まだ世の中に公開していない段階(ローカル環境)で動作確認をすることがあります。 この時、本番用の「80番」ではなく、テスト用として「8080番」を使ってブラウザで表示させることが非常によくあります。 (URLの例:http://localhost:8080)
② プロキシサーバー(代理サーバー)
企業や学校のネットワークでは、「プロキシサーバー」という中継サーバーを経由してインターネットに接続することがあります。このプロキシサーバーが通信を受け付ける入り口として、伝統的に8080番ポートがよく使われます。
③ 2つ目のWebサーバーを動かす時
1台のコンピュータの中で、複数のWebサーバーソフトを同時に動かしたい場合があります。 しかし、1つのポート(80番)は1つのソフトしか使えません(ドアは1人が占領すると他の人は使えない)。 そこで、「メインのWebサーバーは80番」、「サブの管理画面用サーバーは8080番」というように、ポートを使い分けることで共存させます。
4. セキュリティ上の注意点
8080番ポートは、開発用や一時的な用途で開けられることが多いポートです。しかし、管理が甘くなりがちなポートでもあります。
- 外部公開に注意: 開発中のテスト画面(8080番)を、うっかりインターネット全体に公開したままにしてしまうと、外部からシステムの内部情報が見えてしまうリスクがあります。
- ファイアウォールの設定: 通常、一般向けのWebサービスでは8080番ポートを外部に公開する必要はありません。ファイアウォールで閉じておくのがセキュリティの基本です。
5. まとめ
- 8080番ポートは、Web通信の標準である「80番ポート」の代替・予備として使われるポート番号です。
- 開発中のテストや、プロキシサーバー、サブのWebサーバーなどで頻繁に利用されます。
- 数字の由来は「80番の繰り返し」で、覚えやすいため慣習的に使われています。
もしURLの末尾に :8080 と付いているのを見かけたら、「あ、これはテスト環境か、あるいは特殊な設定で動いているWebサイトなんだな」と思えば間違いありません。
443番ポートについてはこちら


