ChatGPTがNano Banana Pro対抗の画像生成機能「GPT Image 1.5」をリリース、それとはべdつでmacOS版「音声機能」が廃止されることが発表され、2026年1月15日で提供終了になるとのことです。
GPT Image 1.5とは?──“新しいChatGPTの画像生成エンジン”
The new ChatGPT Images is here | OpenAI
OpenAIは、ChatGPTの画像生成体験をアップデートし、新しいフラグシップ画像生成モデル「GPT Image 1.5」を公開しました。これにより、ゼロからの生成だけでなく、写真や既存画像の編集も含めて「狙った通りの結果」を出しやすくした、という位置づけです。
ポイントは大きく5つあります。
生成速度が最大4倍に
従来比で最大4倍の速度で画像生成できるとされています。試行錯誤の回転が速くなるのは、地味ですが実務で効きます。
指示追従性(Instruction following)と“空間の整合性”が強化

「要素間の関係を崩さずに描く」能力が改善された例として、6×6グリッドに指定オブジェクトを配置するデモが紹介されています。UIモックや図解の“レイアウト破綻”が減る方向です。
編集が強い:照明・構図・人物の特徴を保ったまま“必要な箇所だけ”変える

OpenAIのセーターを他も維持したまま差し替えています。

従来の生成AI編集は、ちょっと触るだけで全体の雰囲気が変わりがちでした。GPT Image 1.5は、照明/構図/人物の外見(アイデンティティ)を維持しつつ、追加・削除・結合・ブレンドなどの編集ができる点を強調しています。
編集タイプも「加える/引く/混ぜる/入れ替える」といった実務寄りの操作が明示されています。
文字描画(テキストレンダリング)とMarkdown対応が前進

画像内テキストの弱さは生成AIの長年の課題でしたが、GPT Image 1.5は小さく密度の高い文字まで扱えるとされ、さらに**Markdownをレイアウトして“新聞風画像”**にする例などが紹介されています。インフォグラフィックやポスター、教材図解の用途が一気に現実的になります。
まだ完璧ではない(ただし改善は明確)
OpenAI自身も「改善は大きいが結果は不完全で、今後も改善の余地がある」と明記しています。特定スタイルや複数人物、言語混在などで課題が残る示唆もあります。
「ChatGPT Images」──画像生成・編集の専用ホームができた
今回のアップデートはモデルだけでなく、体験面も大きいです。ChatGPT内に、画像生成・編集に特化した新しいUI 「ChatGPT Images」 が用意され、画像の“置き場”と“入口”が整いました。
具体的には次のような要素が語られています。
- 画像専用ホームを新設(モバイルのサイドバーやchatgpt.comからアクセス)
- **多数のプリセット(フィルター/プロンプト)**で発想・着手を支援
- ChatGPTで作った画像は**「My images」に自動保存**され、過去の会話を掘らなくても再利用しやすい
「プロンプトを考える力」だけでなく、“制作フロー”として使えるかに舵を切ったのが、今回の実感値です。
開発者・事業者目線:GPT Image 1.5はAPIでも提供、コストは20%減
GPT Image 1.5はChatGPTの機能強化にとどまらず、APIとしても「GPT Image 1.5」名義で提供されます。さらに、入力・出力コストがGPT Image 1より20%安いとされています。
またOpenAIは、ブランドのロゴや主要ビジュアルを“編集の前後で一貫して保つ”方向を強く打ち出しており、マーケ/ブランド制作や、ECの商品画像カタログ生成と相性が良い、と説明しています。WixやCanvaなどの利用にも言及があります。
提供範囲については、ChatGPT側は全ユーザーへロールアウトしつつ、Business/Enterpriseは後日という整理です。
「ChatGPT for macOS」の音声機能が廃止へ
画像の進化と同タイミングで、macOSユーザーには見逃せない変更も出ています。
OpenAIのリリースノートによると、ChatGPT macOSアプリの“Voice experience”は、2026年1月15日に提供終了となります。理由は「アプリ全体でより統一され改善された音声体験に注力するため」。
重要ポイントは次の3点です。
- 音声は“なくなる”のではなく、macOSアプリから外れる
Voiceは、chatgpt.com/iOS/Android/Windowsでは継続利用できます。 - macOSアプリの他機能は影響なし
「音声以外の機能は影響を受けない」と明記されています。 - “音声機能”はmacOSの音声入力(ディクテーション)とは別物
ここで言うVoiceは、アプリ内で声のキャラクターを選んで“会話する体験”で、macOS標準の音声入力機能そのものではありません。
macOSユーザーの現実的な代替策
「Macで声で使う」ニーズ自体が消えるわけではないので、運用としては次が現実解です。
- ブラウザ(chatgpt.com)でVoiceを使う:macOSアプリにこだわらなければ継続可能
- iPhone/Android側を“音声端末”として使う:机上作業はMac、音声はスマホに寄せる
- macOSの音声入力(ディクテーション)+テキスト送信:完全な会話UIではないものの、ハンズフリー入力は維持できる
GoogleのGemini 3でOpenAIがCode Redを発動して、ChatGPT 5.2がハイペースでリリースされましたが、Nano Banana Proにおいても対抗して「GPT Image 1.5」をリリースしており、引き続きAI領域の競争激化は続きそうです。

