ここではMacのターミナルでテキスト系の表示をする時に利用するターミナルコマンド「cat」「more」「less」について、コマンドの使い方を解説します。
ターミナルコマンド「cat」
「cat」コマンドの基本的な構文
catコマンドの基本的な構文は以下の通りです。
cat [オプション] ファイル名
「cat」コマンドでよく使われるオプション
-n
:出力される各行に行番号を付けます。-b
:空でない行に行番号を付けます。-s
:連続する空行を一つの空行に圧縮します。-E
:行の終わりに$
を表示して、改行を視覚的に示します。-T
:タブを^I
で表示し、タブを視覚的に示します。
「cat」コマンドの例
1.ファイルの内容を表示
cat document.txt
2.ファイルに行番号を付けて表示
cat -n code.py
3.空行を圧縮してファイルを表示
cat -s log.txt
catコマンドはその単純さと多用途性で非常に便利なコマンドで特にファイルの内容を素早く確認したいときや、小さなファイルを連結して一つのファイルにしたいときに役立ちます。
ただし、大きなファイルを扱う際は、catの代わりにlessやmoreのようなコマンドを使用することが推奨されています。
ターミナルコマンド「more」
moreはテキストファイルの内容をページ単位で閲覧するために使用されます。
moreはlessコマンドに似ていますが、lessよりも機能が限られており、主に前方向へのナビゲーションを提供します。
lessが登場する前はmoreが広く使用されていましたが、現在ではlessの方がより多機能であるため、多くの場合にlessが推奨されます。
「more」コマンドの基本的な構文
moreコマンドの基本的な構文は以下の通りです。
more [オプション] ファイル名
「more」コマンドでよく使われるオプション
+n
: n行目から表示を開始します。-d
: ユーザーが何か間違ったキーを押した際に、more
が「[Press space to continue, 'q' to quit.]」というようなメッセージを表示し、何をすべきかを明確に指示します。
「cat」コマンドの例
1.ファイルをページ単位で表示
more report.txt
2.特定の行からファイルの表示を開始
more +100 manual.txt
moreはシンプルで直感的な操作が可能なため、基本的なファイル閲覧には便利ですが、lessのように後方にスクロールしたり、検索機能などの高度な操作が必要な場合は、lessの使用が推奨されます。
それでも、小規模なファイルの閲覧や、簡単な内容の確認にはmoreが十分に役立つことがあります。
ターミナルコマンド「less」
lessはテキストファイルの内容をページ単位で閲覧するためのコマンドです。
大きなファイルや、ログファイルのようにリアルタイムで更新される内容を効率的に読むために非常に役立ちます。
lessを使用すると、ファイル全体を一度にメモリに読み込むことなく、必要な部分だけを読み込んで表示することができます。
「less」コマンドの基本的な構文
lessコマンドの基本的な構文は以下の通りです。
less [オプション] ファイル名
「less」コマンドでよく使われるオプション
-N
:各行の先頭に行番号を表示します。-S
:長い行を折り返さずに表示します(水平スクロールが可能)。-R
:ANSIカラーコードを解釈して、色付きテキストを表示します。-i
:検索時に大文字と小文字の区別を無視します。
「less」のキーバインド
less
を使用している間に役立つ基本的なキーバインドは以下の通りです。
Space
またはf
: 次のページへ移動b
: 前のページへ戻るg
: ファイルの先頭に移動G
: ファイルの最後に移動/
: 文字列検索(前方向)?
: 文字列検索(後方向)n
: 次の検索結果へ移動N
: 前の検索結果へ戻るq
:less
を終了
「less」コマンドの例
1.ファイルをページ単位で表示
less log.txt
2.行番号付きでファイルを表示
less -N script.sh
3.長い行を折り返さずに表示
less -S data.csv
lessはファイルの内容を効率的に閲覧するために設計されており、大きなファイルやログファイルを扱う際に特に有用です。
これにより、必要な情報に素早くアクセスでき、大量のデータを効果的に管理できます。
ファイルの利用方法により「cat」「more」「less」を使い分けていきましょう。