9to5Macによると、Appleがサポート文書を更新し、暗号化されたMac OS Extended(HFS+)ボリュームを、復号することなく暗号化APFSへ直接変換できる手順を新たに追加しました。
macOS 28での仕様変更に備えて外付けドライブの対応を迫られていたユーザーにとって、作業負担を大きく減らす朗報ですね。
macOS 28で暗号化HFS+のサポートが終了
今回の更新の背景には、2026年7月8日にAppleが公開した告知があります。
macOS 28以降、Mac OS Extended(HFS+)形式は暗号化されていないボリュームでのみサポートされるという内容です。
これにより、暗号化された状態のHFS+外付けHDDやSSD、その他のレガシーなMacフォーマットのボリュームは、macOS 28では利用できなくなります。
暗号化していないHFS+ボリューム自体は引き続き読み書きできるため、影響を受けるのは「HFS+ かつ 暗号化済み」という組み合わせのドライブに限られます。
何が変わったのか|第3の選択肢が追加された
当初のサポート文書では、対応方法として次の2つしか案内されていませんでした。ひとつは、ボリュームを復号したうえで消去せずにAPFSへ変換し、必要に応じて再度暗号化するという手順。もうひとつは、ドライブを消去してAPFSで再フォーマットする方法です。
前者は容量の大きいドライブだと復号だけで何時間もかかることがあり、後者はデータの退避とコピー戻しが必須という、いずれも手間のかかる選択でした。
今回の更新で、Appleは暗号化されたHFS+ボリュームを暗号化APFSへ直接変換するという第3の選択肢を追加しました。あわせて、従来案内されていた「まず復号してから変換し、後で再暗号化する」という手順は文書から削除されています。実質的に、新しい直接変換が推奨手順になったといえます。
具体的な手順|ディスクユーティリティで5ステップ
Appleが案内している新しい変換手順は以下のとおりです。
- アプリケーションフォルダ内のユーティリティフォルダからディスクユーティリティを開く(Spotlight検索からでも可)
- メニューバーの「表示」から「ボリュームのみを表示」を選択する
- サイドバーで対象のボリューム名を選択する
- メニューバーの「編集」から「APFSに変換」を選び、「変換」をクリックして確定する
- 完了したらディスクユーティリティを終了する
ディスクユーティリティの標準機能だけで完結し、ターミナルコマンドも外部ツールも必要ありません。
データを消去せずにその場で変換されるため、事前のバックアップコピーを別ドライブに作る作業も原理上は不要です。
【重要な注意点】ただしTime Machineディスクは対象外
ただし、この方法には明確な例外があります。Appleは、暗号化されたTime Machineバックアップディスクにはこの手順が適用されないと明記しています。
Time Machineディスクを暗号化HFS+で運用している場合は、別の対応が必要になります。この場合はバックアップディスクを改めてAPFSで作り直す形が現実的です。
バックアップ履歴を引き継げない可能性があるため、重要な世代のデータがある場合は、事前に必要なファイルを別途取り出しておくことをおすすめします。
変換前にやっておきたいこと
手順自体は簡単ですが、ファイルシステムの変換はディスク全体の構造を書き換える操作です。理論上はデータを保持したまま進行するとはいえ、変換中の電源断や不具合でデータが失われるリスクはゼロではありません。
作業前には、対象ドライブの重要データを別の場所にバックアップしておくこと、ノートブックの場合は電源アダプタを接続しておくこと、そしてmacOS自体を最新の状態にしておくことを推奨します。大容量ドライブでは変換に時間がかかる場合があるため、時間に余裕のあるタイミングで実施するのが安全です。
自分のドライブが対象か確認する方法
対象かどうか分からない場合は、ディスクユーティリティで該当ボリュームを選択し、表示されるフォーマット情報を確認してください。
「Mac OS Extended(ジャーナリング、暗号化)」のように暗号化の記載があれば、今回の対応が必要なドライブです。「APFS(暗号化)」と表示されていれば、すでに移行済みなので何もする必要はありません。
HFS+が廃止しても簡易に移行できるようになった
今回のAppleの方針変更により、暗号化HFS+ドライブのAPFS移行は「復号して、変換して、再暗号化する」という多段階の作業から、ディスクユーティリティ上のワンステップへと簡素化されました。
macOS 28のリリースまでにはまだ時間がありますが、作業が数クリックで済むようになった今のうちに済ませておくのが賢明でしょう。Time Machineディスクだけは別対応が必要という点を忘れずに、手元のドライブを一度点検してみてください。
